単語帳を一から作るのは、けっこう手間がかかります。
単語を選んで、意味を調べて、1枚ずつ入力して。
覚えはじめる前に、力つきてしまうこともあります。
でも今は、その面倒な部分を、AIに手伝ってもらえる時代になりました。
このコラムでは、つむぐ暗記カードの2つの機能を紹介します。
ひとつは「CSVインポート」。
AIに作ってもらった単語リストを、まとめて一気に取り込む機能です。
もうひとつは「AIアシスト」。
カードを書きながら、意味や例文をその場でAIに埋めてもらう機能です。
どちらも、あなたの「覚える」までの道のりを、ぐっと短くしてくれます。
STEP 01AIに単語リストを作ってもらう
「英単語・意味・例文」と頼めば、表の形でリストが返ってくる。
まずは、覚えたい単語のリストを用意するところから。
ここで活躍するのが、ChatGPTやGeminiのような、文章を作るのが得意なAIです。
あなたが普段使うAIに、たとえば、こんなふうに頼んでみます。
「TOEICによく出る英単語を30個、CSV形式で。1列目に英単語、2列目に日本語の意味、3列目に例文を入れて。」
すると、AIが表のような形でリストを作ってくれます。
自分で1個ずつ調べる手間が、これでまるごと省けます。
頼み方のコツは、「列の中身」をはっきり伝えることです。
つむぐ暗記カードのカードは、表(問題)・裏(解答)・MEMO(備考)の3つでできています。
なので、1列目を表、2列目を裏、3列目をMEMOに対応させてお願いすると、そのまま取り込める形になります。
テーマも自由です。
「中学英単語」「世界史の年号」「漢字の読み」など、自分の覚えたいものを伝えるだけです。
STEP 02CSVという形を知る
AIが作ってくれた「CSV」とは、何でしょうか。
むずかしく考えなくて大丈夫です。
CSVは、値をカンマ(,)で区切っただけの、とてもシンプルな表のことです。
たとえば、こんな形です。
1行が、1枚のカードになります。
カンマで区切られた左から、表・裏・MEMOの順です。
3列目のMEMOは、なくてもかまいません(カンマのうしろを空けておくだけでOKです)。
AIが出してくれた文字を、そのままメモ帳などに貼り付けて、ファイル名の最後を「.csv」にして保存します。
これで、取り込むファイルの完成です。
STEP 03アプリに取り込む
ファイルができたら、いよいよ取り込みです。
その前に、ひとつだけ準備があります。
アプリ内で、取り込むカードを入れるための「フォルダ」を、先に1つ作っておいてください。
ホーム画面で新しいフォルダを作り、「TOEIC単語」などと名前をつけておきます。
準備ができたら、設定を開きます。
「設定」から「CSVインポート」を選びます。
「ファイルを選択」を押して、さきほど保存したCSVファイルを選びます。
すると、「○件のカードが見つかりました」と表示されます。
つづいて「インポート先」で、さっき作ったフォルダを選びます。
最後に「インポート開始」を押すだけです。
数十枚でも数百枚でも、まとめて一気にカードになります。
一度に取り込めるのは2,000行までなので、たいていの単語帳はこれで足ります。
下のデモで、取り込みの流れを動きで見てみてください。
取り込んだカードは、ふつうに作ったカードとまったく同じように使えます。
覚えにくいカードだけ、あとから自分の言葉で直していくのもおすすめです。
CSVインポートが「まとめて一気に」なら、AIアシストは「1枚ずつ、その場で」助けてくれる機能です。
カードを作っているとき、表に単語を入れて、AIにボタンひとつで裏とMEMOを埋めてもらえます。
意味を調べたり、例文を考えたりする手間が、その場でなくなります。
まずは準備から
AIアシストを使うには、最初に少しだけ設定が必要です。
APIキーって、なに?
合いカギを登録すると、アプリがあなたの代わりにGeminiへお願いに行ける。
設定を始める前に、「APIキー」という言葉について少しだけ。
AIアシストは、GoogleのAI「Gemini(ジェミニ)」の力を借りて動いています。
つむぐ暗記カードから、そのGeminiに「この単語の意味を教えて」とお願いするわけです。
でも、誰でも自由にお願いできてしまうと、Google側も困ってしまいます。
そこで必要になるのが「APIキー」です。
APIキーは、「私はこのGeminiを使っていい人ですよ」と証明する、あなた専用の合いカギのようなものです。
このカギをアプリに登録しておくと、つむぐ暗記カードがあなたの代わりにGeminiへお願いに行けるようになります。
カギの発行は、Googleアカウントがあれば無料です。
APIキーを取得する
カギは、Googleの「Google AI Studio」というサイトで発行します。
手順はこうです。
- 1パソコンやスマホのブラウザで「Google AI Studio」を開き、お持ちのGoogleアカウントでログインします。
- 2画面の左側にある「Get API key(APIキーを取得)」を押します。
- 3「Create API key(APIキーを作成)」を押します。
- 4プロジェクトを選ぶ画面が出たら、新しく作る形でそのまま進めます。
- 5少し待つと、英数字のながい文字列が表示されます。
これがあなたのAPIキーです。
表示されたキーをコピーしておきましょう。
このキーは、パスワードと同じくらい大切なものです。
他の人に教えたり、人の見える場所に貼ったりしないように気をつけてください。
アプリに登録する
カギが手に入ったら、つむぐ暗記カードに登録します。
「設定」から「AIアシスト」を開きます。
いちばん上の「AIアシストを有効にする」をオンにします。
つぎに「Gemini APIキー」の欄に、さきほどコピーしたキーを貼り付けます。
最後に「接続テスト」を押して、「接続成功」と出れば準備は完了です。
登録したキーは、あなたの端末とアカウントだけに保存され、外に公開されることはありません。
使ってみる
準備ができたら、いつものようにカードを作ります。
表(問題)に、覚えたい単語を入れます。
そして「AIに解説を生成させる」というボタンを押します。
すると、裏(解答)に意味が、MEMO(備考)に例文や解説が、すっと入ります。
あとは、出てきた内容を見て、必要なら少し自分ふうに直して保存するだけです。
まるごとおまかせにせず、ひと手間だけ自分で足すと、記憶にも残りやすくなります。
自分好みに育てる
AIへの頼み方は、自分で書き換えることもできます。
「AIアシスト」の画面には、「生成プロンプト」という枠が3つあります。
これは、AIへの指示文を仕込んでおく場所です。
たとえば「例文はやさしい中学英語で」「意味は簡潔に1つだけ」など、自分の好みに合わせて書いておけます。
3つのうち、チェックを入れた1つが使われます。
カード作成時、生成ボタンを押すと、その指示に従ってGeminiが文章を生成してくれるわけです。
英語用、歴史用、というふうに、教科ごとに使い分けるのも便利です。
指示文の中では、表の内容を {front}、裏を {back}、MEMOを {memo} と書いて、「どの欄に何を入れるか」を細かく頼むことができます。
まとめ
最後に、2つの機能を整理します。
たくさんの単語をいっぺんに用意したいときは、CSVインポート。
AIに単語リストを作ってもらい、まとめて取り込みます。
1枚ずつていねいに作りたいときは、AIアシスト。
書きながら、その場で意味や例文を埋めてもらいます。
どちらも、面倒な「下ごしらえ」をAIにまかせる道具です。
空いた時間と気力は、いちばん大事な「覚えること」に使いましょう。
AIは、あなたの代わりに覚えてはくれません。
でも、覚えるための準備なら、いくらでも手伝ってくれます。