暗記のコラム

覚えやすいカードの作り方

暗記がぐっとはかどる、7つのコツ

毎日きちんと復習しているのに、なかなか覚えられない。

そんなとき、原因は「やる気」でも「記憶力」でもないことがあります。

覚えにくさの正体が、カードそのものにかくれていることは、けっこう多いのです。

間隔反復は、とても賢いしくみです。

忘れかけたころにカードを出して、少ない回数で長く記憶に残してくれます。

でも、これはあくまで「いつ復習するか」を最適にする技術です。

「何を覚えるか」、つまりカードの中身までは、面倒を見てくれません。

中身がぼやけたカードは、最高のタイミングで出されても、やっぱり思い出せない。

逆に、よくできたカードは、それだけでぐっと覚えやすくなります。

同じ時間をかけるなら、覚えやすいカードで勉強したいですよね。

このコラムでは、つむぐ暗記カードで「覚えやすいカード」を作るコツを、いくつかのルールに分けて紹介します。

むずかしいことはありません。

ちょっとした作り方の違いで、明日からの暗記が変わります。

RULE 01カードは「1枚に1つ」

3つの意味は、3枚に分ける。1枚で問うのは、ひとつだけ。

最初のルールは、いちばん大事です。

1枚のカードには、覚えることを1つだけ入れる。

これだけで、覚えやすさが大きく変わります。

たとえば、ひとつの単語に意味が3つあるとき。

表に単語、裏に「意味①/意味②/意味③」と詰めこみたくなります。

でも、これだと裏返すたびに3つを一度に思い出すことになり、頭がいそがしくなります。

3つのうち1つでも出てこないと、「うーん、思い出せなかった」になってしまう。

これはもったいないです。

意味が3つあるなら、カードも3枚に分ける。

1枚に1つずつにすると、思い出すのは毎回ひとつだけになります。

カードはシンプルになり、できた・できないの判定もはっきりします。

間隔反復は、この「1枚ずつ」がいちばん力を発揮します。

よく覚えている意味は間隔がのびていき、苦手な意味だけがしつこく出てくる。

カードを分けておくと、苦手なところにだけ時間を使えるのです。

最小情報の原則、とよばれる考え方です。

「ひとつのカードで、ひとつのことを問う」。

これを意識するだけで、暗記はぐっと軽くなります。

ひとつ、分けるときのコツがあります。

意味ごとに3枚に分けると、表が単語だけでは「どの意味を答えればいいの」と迷ってしまうことがあります。

たとえば「run」を3枚にしても、表に「run」とだけ書いてあったら、走るのか、経営するのか、どれを聞かれているのか分かりません。

そこで、表には単語だけでなく、短い例文を書いておくのがおすすめです。

「I run every morning.(走る)」「She runs a café.(経営する)」のように、前後の文脈ごと表にのせる。

すると、どの意味を思い出せばいいかが自然に決まります。

例文は長くなくて大丈夫です。

その意味だとわかる、短い一文で十分です。

RULE 02問いは具体的に、答えは短く

? ぼんやりした問い 答え 具体的な問い

問いがはっきりすると、答えはひとつに決まる。

カードは、表が「問い」で、裏が「答え」です。

覚えやすいカードは、この問いと答えの形がすっきりしています。

まず、問いは具体的にします。

ぼんやりした問いは、思い出すのもぼんやりしてしまうからです。

たとえば歴史で「鎌倉時代について」と表に書いても、何を答えればいいのか分かりません。

「鎌倉幕府が開かれた年は?」とすれば、答えは一つに決まります。

問いを読んだ瞬間に「これを答えればいい」と分かる。

これが、よい問いです。

さきほどの、意味が複数ある単語を例文ごと表にのせる工夫も、じつはこれと同じです。

単語だけだと問いがぼやけますが、例文をそえると「この意味を答えてね」という具体的な問いに変わります。

カードを分けることは、ひとつひとつの問いをはっきりさせることでもあるのです。

つぎに、答えは短くします。

裏にびっしり文章が書いてあると、どこまで思い出せたら正解なのか、自分でも分からなくなります。

答えが「1192年」のように短ければ、出てきたか出てこなかったかが、はっきりします。

この「はっきり」が、間隔反復ではとても大切です。

つむぐ暗記カードでは、毎回「覚えていた・あいまい・忘れた」を選びます。

答えが短くくっきりしているほど、この判定に迷いません。

判定が正しくなれば、復習のタイミングも正しくなる。

説明を長く書きたくなったら、それは別のカードに分けるサインです。

ひとつの問いに、ひとつの短い答え。

ここでも「1枚に1つ」が効いてきます。

RULE 03丸暗記しない

bene 「良い」のかたまり benefit 利益 benefactor 恩人

ただの文字列を、意味のつながりに変えてあげる。

覚えにくいカードの多くは、「丸暗記しようとしているカード」です。

意味のつながりがないものを、文字の形だけで覚えようとすると、すぐにこぼれ落ちてしまいます。

人の記憶は、意味で引っかけておくと、ぐっと残りやすくなります。

たとえば英単語の「benevolent(親切な、慈悲深い)」。

つづりを何十回も書いて覚えようとすると、なかなかつらいです。

でも、「bene」は「良い」という意味のかたまりだと知っていると、ぐっと近づきます。

「benefit(利益)」や「benefactor(恩人)」のように、同じ「bene」をもつ仲間とつながって、記憶の中で支え合ってくれます。

「良い行いをする人だから benefactor は恩人」というふうに、意味でたどれるようになります。

語源でなくても構いません。

似た音の日本語にこじつけたり、ばかばかしいイメージを思いうかべたり。

「この単語、なんだか赤くて怒っていそう」くらいの、自分だけの引っかかりで十分です。

大事なのは、ただの文字列を、意味のあるものに変えてあげること。

つるんとした石より、でこぼこした石のほうが、記憶のかべに引っかかって落ちにくいのです。

カードを作るときに、ひと言だけヒントを足すのもおすすめです。

裏の答えのそばに、語源やイメージを小さくそえておく。

すると復習のたびにその引っかかりを思い出し、だんだん答えと結びついていきます。

丸暗記は、いちばん力がいるのに、いちばん抜けやすい。

少しの工夫で「意味でつなぐ」に変えていきましょう。

RULE 04自分の言葉、自分の例文で

同じ内容でも、人が作ったカードより、自分で作ったカードのほうが覚えやすい。

これは気のせいではありません。

自分で言葉を選んで作るとき、頭の中ではもう「思い出す練習」が始まっているからです。

カードを作る時間そのものが、ちょっとした勉強になっているのです。

例文も、できれば自分の身のまわりに引きよせて作ってみてください。

教科書のお手本そのままより、自分に関係のある一文のほうが、ずっと記憶に残ります。

たとえば「commute(通勤する)」なら、「I commute by train.」だけでなく、自分の毎日にそって作る。

「It takes me 40 minutes to commute.」のように、自分の通学・通勤時間を入れてみる。

すると単語が、自分の生活の風景とセットで覚えられます。

とはいえ、毎回ゼロから例文を考えるのは大変です。

そんなときは、つむぐ暗記カードのAIアシストが助けになります。

覚えたい単語を入れて「AIに解説を生成させる」を押すと、自然な例文や解説を作ってくれます。

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新規カード · TOEIC単語
表(問題)
commute
裏(解答)
MEMO(備考)
「AIに解説を生成させる」を押すと、裏面と例文が自動で入ります

出てきた例文を、そのまま使ってもいいですし、少し自分ふうに直すとさらに記憶に残ります。

まるごと借りるのではなく、ひと手間だけ自分で加える。

その「ひと手間」が、記憶への引っかかりになります。

借り物のカードがいけないわけではありません。

スターターセットのように、よくできた既製のカードは、はじめの一歩にとても便利です。

ただ、どうしても覚えにくい単語に出会ったら、一度自分の言葉で作り直してみる。

それだけで、するりと頭に入ることがあります。

RULE 05目だけでなく、耳も使う

同じ単語を、目で見て、耳でも聞く。入り口を増やす。

カードを覚えるとき、つい目だけで読んで終わりにしがちです。

でも、音も一緒に使うと、記憶の引き出しが増えます。

人は、同じ情報でも、入り口が多いほど思い出しやすくなるからです。

目で見た形、耳で聞いた音、口に出した感覚。

その手がかりが多いほど、あとで「どれか」が引き金になって思い出せます。

とくに英単語は、音とセットで覚えるのが効きます。

つづりは思い出せなくても、音から「あの単語だ」とたどれることがよくあるからです。

逆に、音を知らないまま文字だけで覚えると、聞いたり話したりするときに使えません。

つむぐ暗記カードには、読み上げ機能があります。

カードの内容を音声で読み上げてくれるので、見ながら聞く、聞いてから思い出す、といった使い方ができます。

声に出して、自分でも一度まねしてみるとなおいいです。

口を動かすと、それ自体が新しい手がかりになります。

通学や通勤のすきま時間に、聞き流すだけでも復習になります。

目で覚え、耳で確かめ、口でなぞる。

ひとつの単語を、いくつもの入り口から覚えていきましょう。

RULE 06ダメなカードと、良いカード

ここまでのルールを、実際のカードで見てみましょう。

よくある「覚えにくいカード」を、少しずつ直していきます。

まず、英単語のカードです。

ビフォー

表に「run」。

裏に「走る、経営する、運営する、立候補する、流れる…」。

これは、ひとつのカードに意味を詰めこみすぎています。

表の「run」だけでは、どの意味を答えるのかも分かりません。

アフター

意味ごとにカードを分けます。

1枚目は、表「I run every morning.(毎朝〜する)」、裏「走る」。

2枚目は、表「She runs a small café.(小さなカフェを〜している)」、裏「経営する」。

表に短い例文を置いたので、どの意味を聞かれているかが、ひと目で分かります。

裏の答えも短く、思い出せたかどうかがはっきりします。

もうひとつ、勉強科目のカードも見てみましょう。

ビフォー

表に「鎌倉時代」。

裏に、その時代のできごとがびっしり。

これも問いがぼんやりしていて、どこまで答えれば正解なのか分かりません。

アフター

問いを一つにしぼります。

表「鎌倉幕府が開かれたのは何年?」、裏「1192年(いいくにつくろう)」。

裏に「いいくに」という語呂を小さくそえると、意味の引っかかりにもなります。

覚えたいことが多いときは、「いいカードを1枚作る」より「小さなカードを何枚かに分ける」。

これが、遠回りのようでいちばんの近道です。

どのカードも、やっていることは同じです。

1枚に1つ、問いははっきり、答えは短く、意味で引っかける。

ルールを別々に覚える必要はありません。

「あとで自分が思い出しやすいか」を考えれば、自然とこの形になります。

まとめ

最後に、今日のルールをまとめます。

ひとつ、カードは1枚に1つ。

ふたつ、問いは具体的に、答えは短く。

みっつ、丸暗記せず、意味やイメージで引っかける。

よっつ、できるだけ自分の言葉と例文で作る。

いつつ、目だけでなく、耳も使う。

むずかしい話はありませんでした。

どれも「あとで自分が思い出しやすいように」と考えれば、自然とたどりつく工夫です。

つむぐ暗記カードは、この考え方に沿って作られています。

カードはシンプルに表と裏だけ。

だからこそ、1枚に1つをすなおに守れます。

例文に迷ったら、AIアシストがたたき台を作ってくれます。

作ったカードは、読み上げ機能で耳からも確かめられます。

あとは間隔反復のしくみが、復習のタイミングを引き受けてくれます。

よいカードを作ることは、未来の自分への小さな贈り物です。

今日の数分が、これから何度もくり返す復習を、ずっと軽くしてくれます。

まずは1枚、いつもより少しだけていねいに作ってみてください。

その1枚が、覚えることを「少し得意」に変える、はじめの一歩になります。

まずは1枚、ていねいに

1枚に1つ、問いははっきり。
つむぐ暗記カードなら、すなおに作れます。

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