前回は、Ankiという名作アプリと、その背景にある「忘れない学習」のしくみを紹介しました。
思い出すこと、忘れかけた頃に復習すること、そしてそれを自動で支えるFSRSという頭脳。
長い研究と実践に裏打ちされた、信頼できる学習の土台です。
ただ、前回の最後に触れたように、Ankiには少し「手強い」一面もあります。
そして、どんなにすぐれた道具も、「続けられなければ」意味がありません。
設定でつまずいて、開くのが億劫になってしまったら。
機能の多さに圧倒されて、結局使わなくなってしまったら。
せっかくの賢いしくみも、宝の持ち腐れになってしまいます。
そこで私たちは、こう考えました。
Ankiが築いてくれた学習のしくみに敬意をはらいながら、その「核」だけを受け継げないか。
迷う場所をなくし、毎日でも開きたくなる、やさしいアプリにできないか。
そうして生まれたのが、この「つむぐ暗記カード」です。
ここからは、つむぐ暗記カードが何を大切にし、何をあえて持たないのかを、お話ししていきます。
01つむぐ暗記カードとは
やさしい一枚のカードの心臓部に、FSRSの賢さ。
つむぐ暗記カードは、ひとことで言えば、「やさしくなったAnki」のようなアプリです。
心臓部には、前回紹介したFSRSという賢いアルゴリズムを採用しています。
つまり、記憶に残りやすい復習のタイミングを、アプリが自動で計算してくれます。
「思い出す」学習と、「忘れかけた頃の復習」。
効果が証明された、このふたつのしくみは、そのまま受け継いでいます。
その一方で、画面や操作は、できるかぎりシンプルにしました。
専門の知識がなくても、説明書を読まなくても、開いたその日から使えること。
そこを、いちばん大切にしています。
名前の「つむぐ」には、毎日の小さな学習を糸のように積み重ねて、確かな記憶へと紡いでいってほしい、という願いを込めました。
すべて日本語で、スマートフォンでもパソコンでも使えます。
覚えたいことがある人なら、誰でも、今すぐ始められます。
02受け継いだ「核」
つむぐ暗記カードが、Ankiから受け継いだ、いちばん大事な部分。
それが、この「思い出して、評価する」という学習の流れです。
使い方は、とてもシンプルです。
まず、カードの表に書かれた問題を見ます。
答えを見る前に、頭の中で思い出してみます。
カードをタップすると、裏返って答えが表示されます。
そして、答え合わせをしたら、「どれくらい思い出せたか」を4つのボタンで選びます。
ボタンは、「Again」「Hard」「Good」「Easy」の4つです。
また出題
先で
間隔を延長
先まで
「Again」は、思い出せなかったとき。
「Hard」は、思い出せたけれど、かなり苦労したとき。
「Good」は、ちゃんと思い出せたとき。
「Easy」は、余裕で思い出せたとき。
選ぶのは、これだけです。
あとは、前回紹介したFSRSが、あなたの答えに合わせて、「次にこのカードを出すタイミング」を自動で計算してくれます。
「Again」を選べば、すぐにまた出てきます。
「Easy」を選べば、しばらく先まで出てきません。
むずかしい設定は、いっさい必要ありません。
あなたは、正直にボタンを押すだけ。
その「思い出して、評価する」をくり返すうちに、あの間隔反復が、自然と回り始めるのです。
03削ぎ落とした「複雑さ」
余計な設定を引き算して、迷わない一枚へ。
つむぐ暗記カードが大切にしたのは、機能を「足す」ことよりも、「引く」ことでした。
Ankiには、学習を細かく調整できる、たくさんの設定があります。
使いこなせば心強い反面、はじめての人には、どこから触ればいいのか迷ってしまいます。
そこでつむぐ暗記カードでは、複雑な設定を思いきって省きました。
復習のタイミングは、FSRSにおまかせ。
あなたが細かい数字をいじる必要はありません。
画面も、ごちゃごちゃさせないように気をつけました。
ボタンや情報を詰め込みすぎず、「今、何をすればいいか」がひと目でわかる。
そんな、迷わない画面を目指しました。
色づかいも、長く見ていて疲れない、やわらかなトーンでまとめています。
毎日ひらく道具だからこそ、目にやさしく、気持ちが落ち着くデザインにしたかったのです。
そしてもちろん、メニューも説明も、すべて日本語です。
英語のアプリにありがちな、用語のわかりにくさもありません。
「シンプルすぎて、物足りないのでは?」
そう思う人もいるかもしれません。
でも、暗記に本当に必要なことは、実は、それほど多くありません。
覚えたいことをカードにして、出てきたものを思い出し、評価する。
その大切な一本道に集中できるよう、まわりの余計なものを削ぎ落とす。
それが、つむぐ暗記カードの考え方です。
04すぐ始められる
自分で1枚から作る。または、スターターセットをそのまま取り込む。
どんなによいアプリでも、始めるまでの手間が多いと、それだけで気持ちが折れてしまいます。
つむぐ暗記カードは、「すぐに始められること」も大切にしました。
カードづくりは、とても手軽です。
表に問題、裏に答えを入力する。
基本は、それだけです。
思いついたことを、その場でどんどんカードにしていけます。
「自分でカードを作るのは、ちょっと大変そう」
そう感じる人のために、スターターセットも用意しています。
これは、あらかじめ用意された、既製のカード集です。
英単語をはじめ、さまざまなジャンルのセットから選んで取り込むだけで、その日からすぐに学習を始められます。
まずはスターターセットで練習して、慣れてきたら自分のカードを足していく。
そんな使い方もできます。
覚えたいことさえあれば、準備に時間はかかりません。
思い立ったときが、始めどきです。
05続けやすくする小さな工夫
学習は、一日で終わるものではありません。
だからこそ、つむぐ暗記カードには、毎日を続けやすくするための小さな工夫を、いくつも入れています。
ひとつは、読み上げ機能です。
カードの内容を、音声で読み上げてくれます。
英単語の発音を耳で確かめたり、目だけでなく耳からも覚えたり。
学習の幅が広がります。
ふたつめは、学習の記録です。
これまで何枚のカードを学習してきたか、どれくらい続けられているかを、グラフでふり返ることができます。
がんばりが目に見えると、続ける励みになります。
カードは、フォルダで整理できます。
英語、歴史、資格の勉強というように、テーマごとに分けて、すっきり管理できます。
また、アカウントにログインすれば、学習データが自動で同期されます。
スマートフォンで覚えて、パソコンで復習する。
そんな使い分けも、データが引き継がれるので安心です。
さらに、ホーム画面に追加すれば、ふつうのアプリのように、アイコンからすぐに開けます。
ブラウザを立ち上げる手間もありません。
どれも、派手な機能ではありません。
でも、こうした小さな「続けやすさ」の積み重ねが、暗記を習慣に変えていってくれます。
06広告のない画面で
さて、つむぐ暗記カードには、広告がありません。
画面のどこにもバナーは出ませんし、学習のとちゅうで何かが割り込んでくることもありません。
暗記でいちばん大事なのは、集中だと思っています。
その邪魔になるものは、はじめから置かないことにしました。
「じゃあ、どうやって続けているの」
はじめのうちは、無料でひととおり使っていただけます。
自分のカードを実際に作って、しばらく続けてみて、合うかどうかを確かめてほしいからです。
その期間が終わったあとも使い続けたい場合に、買い切りの料金をお願いしています。
月額のサブスクリプションではありません。
いつのまにか課金されていた、ということが起きないように、自動更新もしていません。
それに、無料期間が終わっても、作ったカードや学習の記録が消えることはありません。
そのまま保管されるので、あとから続きを始められます。
金額は、アプリの購入画面に表示します。
まとめ
つむぐ暗記カードがしていることは、とてもシンプルです。
本家本元のAnkiが築いた「忘れない学習」の核を受け継ぎ、それを、できるかぎりやさしく使えるように整える。
ただ、それだけです。
高機能なアプリが、いつも自分に合うとはかぎりません。
むずかしくて続かなかった人も、これから暗記を始めたい人も。
まずは一枚、カードを作るところから、気軽に試してみてください。
「続けられる」という感覚こそが、暗記のいちばんの近道だと、きっと気づくはずです。
このあとの記事では、英単語を効率よく覚えるコツや、試験前の復習計画の立て方など、もっと具体的な「使いこなし方」も紹介していきます。